スタッフ日記

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2008年01月31日
サンダンス映画祭に行ってきました

1月17日から27日まで、アメリカ・ユタ州パークシティで開かれたサンダンス映画祭に「puujee」がノミネートされ、出かけて行きました。サンダンス映画祭はクエンティン・タランティーノ、ジム・ジャームッシュ等、インディペンデント系作品の映画祭として有名です。日本では知名度が低いのですが、アメリカではアカデミー賞よりも高く評価する人も多くなってきたそうです。また、この映画祭は劇映画とドキュメンタリー映画を同じウェイトで扱っていることでも有名です。そんなところに呼んでいただけるのは大変光栄なことでした。

前置きはそのくらいで結果を言いますと、受賞は逃がしました。
また、賞よりも期待していたアメリカでの配給も決定打が出ず、これからの交渉が必要です。
さらに、かなり楽しみにしていた世界一のパウダースノーといわれる会場近くにあるゲレンデでのスキーは、時間があるときは必ず吹雪、上映やミーティングで忙しい日は快晴無風・・・

呪われたサンダンス?

いえいえ、とても素敵でした。

「puujee」を含め、海外ドキュメンタリーコンペティション部門のファイナリスト16作品が選ばれ、期間中それぞれ5回ずつの上映がありました。「puujee」は毎回満席。
上映後のQ&Aコーナーでは質問が途切れることはありませんでしたし、街を歩いていても「puujee良かったよ!」と声をかけられることしきりでした。主な反応は、「プージェーのお父さんはどうしたの?」「映画にしたきっかけは?」「人生について考えさせられた」「プージェーの家族の団欒が幸せそうだった」
共通しているのは、みんなプージェーのことが好きになったことです。だから、エンディングで泣いている方が目立ちました。

パークシティは高級リゾートで、観客はインテリやハイソサエティが多いのですが、モンゴルのことを知っている人が極めて少ないことが驚きでした。まして、アメリカのグローバリズムがモンゴルの草原を破壊しているということなど思いもよらないわけで、今後「puujee」がそういう意識を喚起してくれるとうれしいと思います。一方、私たちのような庶民も多く観に来てくれています。それは1400名にのぼるボランティアたち。彼らの反応は「touchy(心が揺れた)」「special」「amazing」等々。ボランティアではありませんが、モンゴルから出稼ぎに来た若者から「よく作ってくれた!」と声をかけられたのがうれしかったです。彼はアメリカ滞在9年目、日本食レストランで働いていて故郷には帰っていません。

期間中は、街で声をかけらたり、サインを求められたり、写真を撮られたりで、品行方正な毎日でした。なにしろ、バーで酒を頼むと、オネエサンが「観たわよ」ときますから油断大敵です。

海外ドキュメンタリー部門の受賞作は、審査員賞(所謂グランプリ又は作品賞の位置づけ)、観客賞(観客の投票等にによる)共に「Man on Wire」(イギリス作品)が受賞しました。この作品は1974年にフランスの軽業師 Philippe Petitとその仲間たちよって敢行さたニューヨーク・貿易センタービルのタワーからタワーへの綱渡りの裏側を描いた映画です。ユーモアと権力に対する風刺に満ちた作品でした。インタビューがおもしろいのとアメリカ人が9・11を冷静に受け止められるようになった故の受賞でしょうか。
プロっぽい演出の作品でした。

海外ドキュメンタリー部門監督賞は「Durakovo」(フランス作品)。ロシアで台頭しつつあるファシストの日常、ロシア正教との繋がり、社会からドロップアウトした人たちの更生施設での洗脳の様子、そして、こういうナショナリズム台頭の背景にプーチン大統領の秘密警察時代のネットワークが未だに健在で機能しているというとても危険な現状を潜入取材で伝えています。監督はNino Kirtadze 、チェチェンやアルメニア、アルゼバイジャンなどの内戦を取材してきたジャーナリストです。
これは力作でした。まだ未公開。ロシアの反発が気になる作品です。

受賞はしませんでしたが、中日合同作品「Yasukuni」(Li Ying監督 堀田泰寛撮影)は、
今後問題作になると思います。4月に中・韓・日同時公開予定。靖国問題以前に厳然として存在している天皇の戦争責任について中国人の監督が厳しく詰め寄っている作品で、大きな話題を呼びそうです。李監督に話を聞きました。
山田「厳しすぎないか?」
李「僕から日本へのラブレターですよ」
山田は「ラブレター」の意味が良くわかりました。みなさん、公開をお楽しみに!
観るべき映画です。

最後に、授賞式でグランプリ作品のプレゼンターを務めたタランティーノ監督の言葉が印象的でした。
「賞なんて重要じゃない。私の“デザボアドックス”も賞はもらえなかった。ここまで来たみんなが賞賛されるべきなんだ。サンダンスは映画を愛する人のためにある」
実際はもっとかっこいいことを言ったはずですが英語なのでよくわかりませんが、受賞を逃したわれわれにはとてもうれしい言葉でした。

その言葉を象徴するように、サンダンスを去る日、フェスティバルの後片付けをしているボランティアたちから、「congratulation!」と声をかけてもらいました。

「puujee」は次ぎにアテネの映画祭に行く予定です。
そして、4月20日(日)にはpuujee製作委員会として初めて主催する上映会を高知で行います。関野吉晴さんも参加してくれます。ご協力よろしくお願いします。
(やまだ)

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コメント

Awesome! Ahahaha! Stop it, you’re killing me! Anyway, I'm glad I'm not the only one who thought this is great.

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山田 和也 監督作品
2006年/日本映画/長編ドキュメンタリー/カラー/110分/puujee製作委員会
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